【小学生】国語を勉強する意味と勉強法

【小学生】国語を勉強する意味と勉強法

小学校では、なぜ「国語」を勉強するのでしょうか?日本に住む、日本人で普段から日本語を使っているのに、なぜ改めて勉強をするのでしょうか?子どもに聞かれたときには、どう答えますか?それに答えられるように、国語を勉強する意味と勉強法をまとめてみたいと思います。

小学生で国語を勉強する意味は?

さて、小学生が国語を勉強する意味はなんでしょうか?

国語の学習では、大きく4つの分野に分けられると考えます。漢字や語彙などの知識に関する内容、俳句や短歌、詩などの感性に関する内容、物語文の読解、説明文(論説文)の読解です。なぜ、それらを学習する必要があるのでしょうか?

 

すべての学習の基礎

国語の勉強はすべての学習の基礎になるからです。漢字を読むことができ、たくさんの言葉を理解できなければ、文章を読むことはできません。そして、文章が読めても内容を理解できなければ意味がありませんよね。だから、国語では文章で一番伝えたいことはなにかを読み取る力を育てているのです。読み取る力はほかの教科の学習を行うために必要不可欠な能力になります。

よく算数の計算は解けるけど、文章題になると解けなくなるという話を聞きます。それは問題文を読み解く力が低いため、問題の場面を想像できなかったり、問われているものが分からなかったりしているのです。社会や理科でも資料や長い文章を読み取った上で、各教科の知識を活用して問題を解いていきます。問題文が読み解けなければ、たとえ社会や理科の知識があっても解くことはできないのです。

だからこそ、国語の学習はすべての学習の基礎となっていて、絶対におろそかにしてはならない教科なのです。

 

読解力・気持ちを読み解く力

もう少し具体的に考えてみましょう。国語の学習と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、漢字練習ではないでしょうか。これは前述した通り、すべての学習の基礎になります。漢字が読めなければ、文章を読むことができませんからね。漢字を学習する意味が分かりませんという人は少ないのではないでしょうか。

次に思い浮かぶのは物語文や説明文の読解ではないでしょうか?物語文と言えば、たぬきの糸車やスイミー、きつつきの商売、ごんぎつねなどを学習したのではないでしょうか?これらの物語文はいったい何のために学習していたのでしょうか?

目的は大きく2つあります。1つは想像力、もう1つは心情の理解を身につけるためです。

 想像力とは、文字で書かれたものを頭の中でイメージすることです。そして自分の思い描く世界を広げていくのです。こうした想像力が思考力や判断力など関わり合って新たな発想や思考を創造する原動力になると期待されいます。現代社会では、漫画やアニメ、ドラマ、映画といった形で物語を映像として受け取ることができてしまいます。そんな今だからこそ、文字から想像をふくらませるということが大切になってくるのではないでしょうか。

 心情の理解とは、登場人物の心情(気持ち)を読み取ることです。文章で表された登場人物のセリフや表情、動作、あるいはその場面の印象などから登場人物の気持ちを捉える力です。こうした力があれば、実際に他人と関わるときに、相手の気持ちを推し量りながら接することができます。また、自分の気持ちを相手に適切に伝えることにも活用できるのです。

思考力

では、説明文はなんのために学習していたのでしょうか?説明文という、アリの行列やすがたをかえる大豆などです。こちらの方は少し印象に薄いのかなと思います。
これら説明文を学習する目的は、思考力を身につけることです。説明文で一番大切なことは、筆者がどんな考えをもち、読者になにを伝えたいかを捉えるということです。筆者は自分の考えを伝えるために、論理的に文章を組み立てています。あるいは説得力を増すための資料として図や表、グラフなども用いて相手に伝えるために様々な工夫をしています。文章の組み立てや資料の目的を理解して、文章を読み取っていく力が大切なのです。

 

表現力・伝える力

物語文を読み取るときに培った想像力と心情の理解を活用して、相手の気持ちを想像したり、自分の気持ちを適切に表現したりしながら円滑な人間関係を築いいていくのです。また、説明文を読み取るときに培った文章の組み立てや説得力増すための工夫などを活用して、他人に自分の考えを分かりやすく伝えることができるようになるのです。

簡単な例えとして、スキップしている人がいたら、なんかいいことがあったんだろうなと想像したり、ぼーっと外を眺めている人がいれば、なんか悩み事や心配事があるのかなと想像したりするわけですよね。あるいは、親にゲームを買ってとねだるときに、ただ買ってとねだられても買わないですよね。でも、理由や友達の何人が持っているという資料を示して説得されれば少しは買ってあげようかなという気持ちにはなりませんか?
このように、物語文や説明文の読み方を理解するだけでなく、それを生かして、日常生活を豊かにしていくことを目的としているのです。

・国語の学習はすべての基礎となる力を身につけるため。
・物語文は、新たな発想や思考を創造するための想像力を身につけるため
・人間関係を円滑にするための心情理解を身につけるため。
・説明文は、他人に自分の考えを分かりやすく伝えるための方法を身につけるため。

 

国語の勉強法は?

では、そのような力を身につけるためには、どのような学習をすればよいのでしょうか?

 

国語を教えるのは一番難しい?

いくつもある教科のなかで、国語を教えるのが最も難しい教科と言われています。どの教科よりも身近で、普段から使っているのに、教えるのが難しい教科なんですよね。なぜなら、無意識に使っていることと感性が関わってくるからです。
普段から会話をするときに、話の場面を意識して想像したり、組み立てを意識して会話をしたりしないですよね。相手の気持ちを理解するにしても、ほとんどの無意識に行っていますよね。だから、あえて子どもに教えるといったときに難しいのです。身近なこと過ぎて無意識にやっていることだから、説明することができないのです。
また、心情の読み取りには感性が関わってきます。同じ出来事であっても、どう感じるかは人によって異なります。また、「泣く」といった行動は嬉しいときも、悲しいときも泣きます。その場面を正確にイメージすることができてやっと捉えることができるのです。卒業式のときに、泣く人、泣かない人がいますよね。どちらが正しい、どちらがよいというわけではありませんが、人によって気持ちの表現の程度も表現の仕方も異なるのです。そうしたものの一般的には、こうだと教える必要が出てきます。人によって解釈が異なってくるので、教えるのが難しいのです。

苦手をなくすには?

国語は教えるのが非常に難しく、漢字練習や作文の苦痛とよくわからない文章の読み取りで苦手と感じる子どもも少なくありません。また、国語は、人によって解釈が異なってきます。一般的な解釈や学校の先生の解釈は腑に落ちなくて、なんかもやもやする。でも、学校の先生はそれを解消してくれないといったこともあり、苦手な子どもを増やしてしまいます。では、国語の苦手意識をなくすにはどうしたらよいのでしょうか?

子どもはできないことやわからないことに対して苦手と感じてしまいます。なので、テストや学校の授業で聞かれていることが分かり、答えられるようにしてあげることが大切です。(本質とはずれるかもしれませんが、大切なことです。)そのために、テストや授業のための国語学習と生活や将来に活かすための国語学習を区別することが必要です。
テストや授業では、あくまで一般的な解釈では、こうなるということを第一に考えています。というのも、テストでは正解、不正解が存在するため、人によって解釈が異なるような問題を作ることができません。テストで正解が答えられるように授業が行われます。もちろん、友達同士で意見を通わせ、様々な考え方や捉え方があることを授業の中で伝える先生もいますが、テストがある以上は大きく外れた指導をすることはできません。なので、テストで問題になりやすいところや授業で取り上げられやすいところがあります。そこの読み取り方をおさえれば、テストも授業も怖くありません。

 

効果的な教え方・学習法

学年にもよりますが、抑えるべきポイントは物語文では心情と説明文では要旨です。すでにこの2つが大切だと話してきましたね。順番に説明していきましょう。

 

物語文で問われやすいことは

・登場人物の心情
・その心情になったきっかけ
・出来事のきっかけとなる心情
・登場人物の心情がどのように変化していったか

なので学習するときは

①心情が分かる部分を見つけ、心情を捉える
②その心情になったきっかけ(出来事)を探す
③きっかけと心情を結び付けながら、心情の変化をまとめる

これができれば、心情と出来事の両側面から物語全体の内容を理解することができ、問われやすい4つのことに答えることができます。

 

説明文で問われやすいことは

・筆者の意見
・具体例や資料の読み取り

なので、学習するときは

①具体例や資料の説明となっている部分と筆者の考えとを区別する
②段落ごとに筆者の考えをまとめる
③文章全体の筆者の考えをまとめる
④それぞれの具体例や資料がどのように筆者の考えとつながるかを考える

これができれば、筆者の考えとそれを伝えるための筆者の工夫を理解でき、問われやすい2つのことに答えることができます。

 

将来に生きる国語力にするためには

生活や将来に活かすための国語学習をすることも大切です。これは、様々な考え方や捉え方が容認され、正解を定めずに自由に思考を深めていくというものです。「わたしはこう思いました。」「他の人はどう思いますか?」「そういう考え方も面白いですね♪」みたいな感じですね。学校の授業の中にも、自分の好きな本を友達や1個下の学年に紹介するといったものがあります。その授業は正解を1つに定めることはありませんが、紹介することが目的なので、自由に思考を深めていくことは難しいですね。なので、意図的に将来に生きる国語力を身につけるための時間を作ることが必要になってきます。

 

日常的に使う場面を意図的に作る

国語で身につけたものを日常的に使う習慣を作ることが大切です。今までは無意識のうちに行っていたことをあえて意識する習慣を作るということです。なにげない会話の中にも、何故そう思ったのか、何故そう感じたのか、子どもの気持ちに寄り添いながら、言葉で表すように意識すればいいのです。

読書の習慣を身につける

一般的に言われていることですが、読書の習慣を身につけるということです。好きな本を読み、想像の世界を広げていったり、登場人物の気持ちに共感しながら読み進めていったり、いいことだらけですね。出来ることなら、読んだ感想を共有し合えるとなおいいですね。自分はこう思った、こう感じたけど、他人は違う感じ方をしたということを知るのも大切です。自分の感じたことを表現したり、他人の感じ方を受容したりする経験も社会で生きていく上では必要です。ぜひ、子どもと一緒に読書をして、感想を伝え合える関係を築いていってみてください。

 

まとめ

ここまで、国語を学習する意味や目的、勉強の方法についてまとめてきました。国語の学習では、想像力と心情、要旨を捉えることが大切です。これで、子どもになぜ国語を勉強するのかと聞かれても、答えられそうですね。(大人の言葉を使っているので子どもに伝えるとなると、少し言葉をかみ砕かないといけませんが…。)具体的な勉強方法はまた次の機会にまとめてみたいと思います。