高校の金融教育

高校の金融教育

 来年度2022年度から高校家庭科で金融教育が始まろうとしています。ここでいう金融教育とはなんでしょうか。なにを学んでいこうというのでしょうか。文部科学省が出している資料を参考にまとめていきたいと思います。

金融教育ってなに?

 金融養育というと、何を思い浮かべるでしょうか。貯金や住宅ローン、投資などでしょうか。まずは、金融教育についてまとめたいと思います。 

 一般的に言われる金融教育とは?

 金融とは、お金が余っている人や機関が、お金が不足している人や機関に、お金を融通することを指します。具体的には、銀行をはじめとした金融機関が法人に対して貸し付けを行ったり、個人に対して住宅ローンを組んだりすることです。あるいは、会社が株式や債券を、国や地方自治体が債権を発行して資金を集めることです。このとき、一般的には利息を払う事になります。
 これらの内容は社会科の公民分野で学習することになっています。上記のことに加え、金融の働きや金融市場の仕組みと金利の働き、金融政策などについても学習します。では、家庭科ではなにを学習するのでしょうか。

 家庭科における金融教育とは?

 一番の特徴は、登場人物です。社会科で学習する金融教育の登場人物は、国や企業、金融機関、そして市場です。家庭科で学習する金融教育では、家計と金融機関です。そして主人公はなんといっても家計です。ここが一番の違いです。

高校で学ぶことは?

  家計管理について学習していきます。家計管理では、自分の人生設計、ライフイベント、社会保障制度などと照らし合わせながら、以下のことについて学習していきます。

収支のバランス

 収支のバランスが重要ということを学習します。当たり前ですよね。収入より支出が多くなってはいけない。そんなことは言われなくても分かることですね。

 ここで学習するのは、可処分所得や非消費支出などの家計の構造を理解した上で、家計の収入と支出のバランスを取ることです。可処分所得?、非消費支出?、なにそれ?と思った人もいいのではないですか?非消費支出とは、税金や社会保険料、借金の利子など自由に使うことができない支出のことで。可処分所得とは、自由に使うことができるお金のことで、収入から非消費支出を差し引いたものの事です。いわゆる、手取りのことですね。なので額面の収入に騙されないで、家計を考える必要があるという事ですね。 

リスク管理

 生涯を見通した経済計画を立てることを学習します。生涯を見通し、教育資金や住宅取得にかかる費用、老後の備えに加え、様々なリスクへの対応が必要です。では、生涯におけるリスクとはどんなものがあるのでしょうか。例えば、事故や病気、失業などが挙げられます。

 それぞれのリスクがどの程度の確率で自分の身におき、どれだけの損失を生んでしまうかを捉えることが必要です。それによって、備え方やリスク管理の仕方が変わってきます。金融商品の特徴と合わせておさえておくことが大切です。

金融商品の特徴

 資産形成の視点にも触れながら、基本的な金融商品の特徴について学習します。ここで挙げられている金融商品は、預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託などです。預貯金も金融商品なんですよ。意外ですよね。預貯金って銀行にお金を預け、利息を貰っていますよね。そして、多くの人が預貯金と民間保険を利用していますよね。

 つまり、家庭科で学習させたい金融商品はそれ以外の株式や債券、投資信託などに関する知識という事です。

 

 ☆株式は、株式会社が資金調達のために発行する証明書です。

 ☆債権は、会社もしくは国、地方自治体が資金調達のために発行する有価証券です。会社の場合は社
債、国の場合は国債、地方自治体の場合は地方債と区別して呼ばれることもあります。

 ☆投資信託は、株式や債券などの金融商品の詰め合わせパックのようなものです。どこの会社の株式や
債券を買うかをプロが選んでくれるというものです。

※株式や債券はいまでは電子化されていて、紙としての証明書や有価証券があるわけではありません。

 これらの特徴を捉え、自分自身はどのようにリスク管理をしながら、資産形成をしていけばよいかを考えていくことになります。

高校の金融教育のまとめ

 いかがでしたか?ここまで、高校家庭科で行われる金融教育について紹介してきました。なかなか難しい事を学習することになっているんですね。家庭科の先生も大変ですね…。学校だけに頼らず、家庭での教育が大切になってくるでしょう。ぜひ、家庭でも話題にしてみてください。