もう始まる 金融教育はどうなる?

もう始まる 金融教育はどうなる?

 来年度2022年から高校で金融教育が始まろうとしています。いったい何を学ぶのでしょうか?今回はそんな高校家庭科の大きな変化について紹介したいと思います。

金融教育とは?

 金融教育とは、いったい何なのでしょうか。

金融教育とはなに?

 家庭科では以前から、消費者として社会との関わり方を学習してきました。また、家計を営む主体として、社会とのつながりも学習してきました。これまでは、お金でものやサービスを受け取る時に注意することや意識すること、詐欺や犯罪の被害に巻き込まれないようにするための学習が行われてきました。

 しかし、国の公的保険の一端である年金だけでは、安心して老後を過ごせない社会へと大きく変化してしまいました。これまでは、若いころに働いて稼いだお金と年金によって老後も安心して暮らすことができていましたが、そういう社会ではなくなってしまったのです。

 では、なにが必要かというと、“投資”です。投資といっても株価が映し出された画面を見続け、売ったり、買ったりを繰り返すギャンブルのような行為ではありません。金融商品には、どのようなものがあり、それぞれどのような特徴があるのか、自分に必要な金融商品は何なのかを見極める力が求められているのです。 

なぜ高校生が学ぶの?

 先述した通り、働いて稼いだお金を貯金し、年金と合わせて老後を暮らしていくという人生設計は破綻しているのが現状です。老後2000万円問題として、世間を騒がせたのが記憶に新しいでしょう。では、なぜ高校生が学ぶのでしょうか。それは、社会に出て、お金を稼ぐ前に知っておかなければならない知識だからです。

 すでに働いている大人向けに「iDeCo」や「NISA」、「積立NISA」という制度があるのはご存知でしょうか。これらの施策は、大人向けの金融教育なのです。税金面で優遇するから、貯金ではなく、投資をしてくれ!という国から要望なのです。しかし、思うようにこの制度を利用する人は多くありません。なぜなら、投資に関する知識が乏しい状況でこのような制度を導入しても、そのよさが十分に伝わらないからです。

 だから、働く前の高校生に投資に関する知識を身につけさせ、働いてからはこれらの制度を活用しながら、投資をしてほしいという願いがあるのです。 

どんなことを学ぶの?

 では、実際にどのようなことを学んでいくのでしょうか?株や投資、ギャンブルのようなイメージもあるかもしれませんが、実態は違います。(知識のある人から見ればですが…。)

金融教育で学ぶこと

 収支バランスの重要性とリスク管理も踏まえた家計管理についてです。収入以上の支出とならないようにバランスを取ることは大切ですね。そして、ライフイベント(結婚や教育資金、住宅取得など)を考慮したリスクについても学習します。その際、資産形成の視点から、金融商品(預貯金や、保険、株式、投資信託など)の特徴にも触れることになっています。また、金融市場や社会保障制度など、お金に関する知識を幅広く学習することになっています。 

ほんとうにそれを学べるの?

 ほんとうに高校でこれらのことを学ぶことができ、生活に役立てることができるのでしょうか?高校で学ぶだけでは不十分である。家庭科の内容以外にも、衣食住や少子高齢化、福祉、これまでのような消費に関わる内容など、社会から家庭、個人に関する内容まで幅広く学習する教科である。その一部が変わったにすぎず、実際の授業では数時間分しか金融教育は行われないのです。

 あくまで、高校では金融教育にふれたに過ぎないという認識にとどめておくことをお勧めします。高校で学んだことをきっかけにして、家庭で家族と一緒に学んでいくことが最も重要なことなのです。

高校の金融教育のまとめ

 いかがだったでしょうか。高校で始まる金融教育について紹介してきました。高校で学習したことを生かし、自分でも調べ、生活に役立てられるようにしていくことが必要ですね。高校生の人は家族と、大人の人は子どもと一緒にお金や金融に関する話をしてみてはいかがでしょうか?